《プロが教える!》鉄道業界へ就職したい就活生に教えたい、心構えや考え方【2018年9月更新】

鉄道会社への就職をお考えの就活生の皆様へ

就職活動全般についてこれまで、中学受験・高校受験・大学受験等々、様々な「受験」を経験されてきた学生の皆さんにとっては、就活は受験の延長ようなものだとまず考えてしまうかもしれませんが、まずその考えを新しい視点で捉えて頂きたいかと思います。

つまり、就活や転職は受験ではありません

「勉強(暗記)さえしていれば競り勝てる」という戦いではなく、学歴が高ければ必ず勝てるというものでもありません。

直球で言ってしまうと、「自分」という商品を買ってもらえる顧客を探す「営業」というイメージに近いです。

就職活動のポイント、特徴

・学歴や経歴・性格など、自分のステータスを簡単に変えることは出来ない

・企業にあわせてしっかりと対策を立てる必要がある 面接・企業研究・自己分析etc

・お見合い的要素が強く、自分の好みにあっていても、相手の顧客の好みに合わなければ内定は取れない

・運の要素もある(担当の面接官との相性)

・浪人して何度も受け直すこともできまない(ただし転職でのリベンジは可能性がある)

 

転職が当たり前になってきているので、状況は変わりつつあるものの、やはり新卒正社員で入社する方が様々な面で有利なのは明確です。

受験の場合、自分の実力や得意な出題傾向に合った学校をいくつか受ければ、滑り止めに合格して、進路が決まりますが、就職活動では、滑り止めと思われる所に必ず合格できる保証も無いのです。

理系大学や、専門学校の場合、企業との接点がある場合もありますが、文系で一般的なエントリーする企業の数は最低でも20、30社、多い人で100社近い企業をエントリーしてようやく内定1社とかそんなレベルです。

もちろん、高学歴だから有利という学歴の差によるところもありますが、最後は相性です。

逆に相性が合えば、今までの経歴をひっくり返してステップアップする可能性も有りますし、高学歴でも就職活動によっては、全く思っていた結果が出ない可能性もあるのです。

このように、大番狂わせが起こりうるのも就活の特徴なのです。

結局学歴はどこまで重要なのか

学歴が就職にどこまで重要かというのは一概にはいえません。

といいますのも、学歴が良いからといって面接に行けるとは限りませんし、悪くてもその会社との接点次第では通過することもあるからです。

企業側としては、採用計画の段階である程度●●大学からこの人数採用したい、と決めている会社もあれば、適性検査の性格の傾向から判断する場合も有ります、

結局のところ、企業内での学校枠に入れるかどうかは応募状況次第ですし、業界全体が不祥事を起こしていたなどのケースでその年が不人気でしたら、ライバルの数も少なくなります。

繰り返しになりますが、学歴はすぐに変えられる訳ではないですし、言うならばRPGにおける装備品のようなものです。

 

いま話題になっている「学歴フィルター」に関してですが、こればかりはどうしようもないのですが、これは入社さえしてしまえれば、営業成績でひっくり返すことも可能ですし、入社後殆どのケースで学歴が重要なポイントにはなりません。

もちろん企業によって差はあるものの、言ってしまえば営業職なら数字を出せるか出せないか、他の職種でも、会社の求める仕事ができるかできないかが重要なので、学歴が良いことが仕事ができることになるかと言えば必ずしもそうではないのです。

やはり経験論として、学歴が高い方の方が結果として優秀な人が多いのですが、大学受験は失敗してしまったものの、抜群なコミュニケーションスキルで営業成績トップクラスな人も実際には居ます

選考過程において面接官の態度が露骨に違うようであれば、こちらからそのような会社を辞退してしまっても良いのです。

鉄道業界の魅力

鉄道会社でも、JR系列・中小私鉄・貨物・それらの関連会社と分類することができます。

新卒就活の最大のメリットは正社員で入社できるということ。

職種も総合職から現場での活躍が中心のプロフェッショナル職など様々です。

職種でも理系と文系に分かれますが、技術系であっても文系関連知識皆無な状態から入社される方はいますし、理系専攻でも文系職につかれている方もいます。

 

鉄道会社は多くの事業を持ち、関連会社全体で社会への貢献を目指しています

ただ輸送するだけではなく、お店や関連サービスを利用してもらう、住みたくなるような街を作る、こういった社会や人々の暮らしに対して与えるインパクトの大きい仕事に関われることが鉄道業界の魅力と言えるでしょう。

鉄道会社の総合職とプロフェッショナル職の違い

鉄道会社で働くうえで大きく分けて2つのコースがあることを知っている人は意外と少ないと思います。

JRにしても大手私鉄にしても、鉄道会社の入社コースには大きく分けてプロフェッショナル職総合職というものが存在します。

鉄道会社で働くことを目指すうえでこの2つのコースの違いはしっかりと理解しておかないと、「こんなはずじゃなかった・・・」と後悔することになります。

プロフェッショナル職

これは単純に駅員や乗務員として働くことがメインの採用です。

ずっと現場で働くことがメインですので、出世に限界があります。

ただし、待遇よりもやりたい職種を優先したい場合は、こちらの方が良いでしょう。

鉄道会社の現場で働くことを夢見ているなら、大卒で入社するよりも高卒でチャレンジしたほう長く現場に関われる可能性が有ります。

プロフェッショナル採用の場合、高卒だろうと大卒だろうと、基本的に仕事は一緒なのでそれなら入社は早いほうが良いという考え方も有ります。

総合職

簡単に言うと、駅長や本社勤務などのいわゆるエリートを目指すコースです。

ですから採用枠がかなり限られています。

総合職で入社した人たちも入社してからしばらくは、同じように研修を受けて改札や出札、乗務員まで経験するのですが、ジョブローテーションが多く、いつまでも現場で仕事をしないのが特徴です。

出世することで、給料はどんどん上がって行きますが、基本的に総合職はどこの勤務地になるか分かりませんし、会社の都合で他の会社に出向になる可能性もあります。

つまり、自分のやりたいことが明確に定まっている場合は、給与は高く出世の可能性はあるものの、かえって望まぬ方向へ進んでしまう可能性もあるのです。

ですから、「総合職=良い」とは必ずしも言えないのです。

乗務員になりたい人への注意点

プロフェッショナル系統だと、さらに駅務コースや乗務員コースに分けられる企業もあります。

この辺は希望を提出しても、入社するまでどの系統なのかはわからないことがほとんどです。

乗務員に絶対になりたいという方は、駅務のコースがある企業は受験しない方がよいでしょう。

こういう企業は企業内でのコース変更も認めていないケースが殆どです。

先ほどの内容を補足すると、総合職は、運輸系なら駅や乗務員、技術系なら車両工場、電気区などの現場を数年間すると、間接部門などに入り、最終的には部長や常務執行役員などの幹部を目指すコースに入っていきます

人によって現場にいる時間や職種が様々で、乗務員などを経験せずに間接に行く人もいます。

会社の制度や方針を大きく変えることもいずれはできる職種となり、営業、企画だけでなく、ダイヤの作成や、列車投入計画、新型車両の仕様決定、人員配置の決定など、魅力的な仕事ができます。

鉄道マニアは有利なのか?

この問いに関しては、「決して公言してはならない」というのが答えです。

鉄道会社にはやはり鉄道マニアと呼ばれる人たちが多数受験してきます。

実際鉄道会社内にも、鉄道マニアは多数います。ただしそのことは、就職活動中は封印するか、オブラートにしてください。

というのも、現場の仕事は趣味で培った仕事がストレートに活かされるほと単純ではないからです。

むしろ弊害になる可能性すらあります。

実際の仕事は、介助対応、道案内、忘れ物登録、出札、異常時の対応です。

 

鉄道会社は趣味と仕事を区別出来ない人に内定を出しませんし、むしろマニアックな質問をしてしまうと、マークされてしまいます。

鉄道員の仕事は意外と泥臭く、一般的に考えられている以上にハードで、裏方でこなしている仕事も多数あります。

具体的には、早朝から夕方まで同じホームで列車の立ち会いをしたり、次々と発売される企画乗車券の概要を覚えたり、災害でダイヤが乱れた場合、列車や旅客の対応が必要になります。

そして異常時になるほど、トラブルのリスクが急激に高まります。

社会から求められるレベルの高さ故に、仕事の内容は高度化かつ複雑化していますが、人件費削減の観点から駅の要員は減少し、しかも中途の契約社員(3〜5年が上限)などで入社される方は、割に合わないと辞められる方も多いです。

プライベートも不規則で、勤務する会社によっては丸二日携帯電話に触れないこともあります。

 

鉄道の現場はどこも人が足りないのが現実です。

入社を考えている方には追い風かもしれませんが、上記の業務の大変さを覚悟しておいてください。

福利厚生については、中小企業に比べるとやはり大幅に恵まれています。

有給も取得しやすいですし、勤怠面で理不尽な事は殆ど無いでしょう。

最後に

就活は人生の中でもかなり大きな節目の1つです。

せっかくのチャンスですから様々な企業を知り、訪問し、勉強して下さい。

結果として鉄道業界に縁がなかったとしても、新卒採用だけが採用形態ではありません

報酬面などでは不利はあるものの、契約社員採用なども広く行っている会社もあります。

 

落ち着いて他の業種を経験してからの方が、結果として成長できるかもしれません。

鉄道業界は、入ってしまうと良くも悪くも、新聞を読まなくても仕事がこなせてしまえるくらいに凝り固まっています

大企業な分、スピード感は皆無と言っても過言ではありません。

変化や成長、スピード感を仕事に求める場合は、鉄道業界はミスマッチです。

逆に、ルーティンワーク(似たような作業の繰り返し)や、自分で考えて行動したり、企画したりするのが苦手で、決められた作業をこなす方が気が楽な人や、営業といったノルマを気にしたくない人には向いていると思います。

ただこのような中でも、鉄道会社の体質を少しでも変えようと頑張っている人も多くいることもまた事実です。

そういった取り組みの中核になるような人になれるよう、就活という一生に一度しか無い機会を利用して広く社会を知って頂ければと思います。

本記事が皆様のお役に立てましたら幸いです。